【D2Cブランド向け】Amazonで出品するメリット・デメリット解説
こんにちは!
国内初のAmazon専門コンサルサービスを展開しているアグザルファです!
アグザルファブログではAmazon専門コンサルタントがAmazon出品に役立つ情報をお届けしています。
皆さんは「D2C(DtoC)」という販売モデルをご存じですか?
弊社のブログを拝見されている皆様であれば、EC経験者もしくはECに興味がある方が多くいらっしゃると思いますので、言葉自体は聞いたことがある方も多いはず!
簡単に「D2C」を説明すると、「Direct to Consumer」の略で、「メーカー・ブランドが消費者とダイレクトに取引する」という形態のアメリカ発祥の販売モデルです。
日本でもこの「D2C」の販売モデルが随分と浸透してきています。(新たな概念と言われる「DNVB(Digitally Native Vertical Brand)」も注目されています)
ところで、現在Amazonに多くのD2Cブランドが出品している、そしてD2CブランドがAmazonへの参入を考えていることはご存じですか?
D2CブランドはAmazonへの出品を避ける、もしくは避けがちといった意見もありますが、Amazonを活用してマーケティング、ブランディングに活かし成功しているブランドもいらっしゃいます。
今回は、D2Cのメリット・デメリットに加えて、D2CブランドがAmazonへ出品する際のメリット・デメリットをAmazon専門コンサルのアグザルファ視点で解説いたします。
目次
D2Cの概要
まずはじめに、改めてD2Cについて解説しておきます。
D2Cとは、メーカやブランドが自ら企画・生産した商品を卸や小売店、販売代理店などを挟まず、自社ECサイト(直販する販売チャネル)やオウンドメディア、SNS(情報チャネル)といった自社保有チャネルを用いて、直接(Direct)消費者(Consumer)に販売取引する販売モデルを指します。
販売チャネルを含めて、全ての工程を自社で担当するのが従来の販売モデルと異なる点であり、EC市場の拡大やSNSの普及もあってこそ実現できる販売モデルです。
卸や小売店、販売代理店を挟まないことで、購入者情報の獲得や中間業者が不要となるためコストカットになる反面、商品を知ってもらい、購入に繋げるためには積極的な情報発信などのマーケティング活動に注力する必要があるでしょう。
SNSを通して直接のコミュニケーションが実現できることで、企業やブランドにへの信頼感や愛着といった顧客ロイヤリティが高まり、継続的なファンになってもらいやすい特徴があります。(LTV向上!)
B2Cとは?
一方で、「B2C」とは、企業(Business)と消費者(Consumer)の取引モデルで、企業(ブランド・メーカー)から消費者に届く間に卸や小売店、販売代理店を挟んでいるというのが一般的なイメージになります。
「B2C」であっても、SNSなどを活用して情報発信や相互コミュニケーションはもちろん可能ですし、実際に活用している企業は多数あるでしょう。
「D2C」と「B2C」の大きな違いは、消費者に届くまでの経由地点が異なるという点になります。
ECモールは「B2C」?
Amazonや楽天などのECモールを活用した販売は、「B2C」にあたります。
D2Cは卸や小売、販売代理店だけでなく、Amazonや楽天といったECモールも含めて介入させずに、自社ECサイトで直接販売するのが原則の販売モデルです。
従来の一般的な販売モデル(B2C)とD2Cモデルの比較を図でまとめたのでご参考ください⬇︎
▼従来の一般的な販売モデル(B2C)
▼D2Cモデル
D2Cのメリット・デメリットを解説
続いては、D2Cのメリットとデメリットを解説します。
メリット1:仲介手数料や販売手数料などコストの削減ができる
D2Cにおける最大のメリットは、卸や小売といった仲介業者が存在せず自社で企画から製造販売までを担うため、従来の販売モデルに比べて、中間コスト削減が実現できます。
コスト削減ができることで、商品の品質向上に投資できたり、適正価格で販売することも可能になり、より良い商品を提供していくことができます。
仮に、卸や小売を挟まずに、Amazonや楽天などのECモールを出品・出店する場合、月額登録料金や販売手数料といったランニングコストが発生しますが、ある程度のコスト削減は実現できるかもしれません。
D2Cの最大メリットは中間コストの削減と言えるでしょう。
メリット2:購入者データや商品のフィードバックを直接取得することができる
D2Cでは、自社マーケット内を全て把握することができるので、購入者の詳細なパーソナルデータ(購入者の属性・購入に至るまでの経路など)を直接取得することができます。
また、購入者へ直接商品をお届けするため、購入者のフィードバックやレビューをダイレクトに受けることができ、商品開発や改善、ブランド構築にもスムーズに活かすことができるでしょう。
メリット3:消費者とより高度な信頼関係を構築できる
D2Cは消費者との距離が近いことが特徴でもあります。
SNSやメディアを用いて、積極的な情報発信や相互コミュニケーションを図りながら、ブランドと消費者の信頼関係を構築することができる点もメリットです。
従来のモデルよりも近距離になることで、ブランド企業側は消費者のニーズを満たす商品開発やリニューアルへ活かすことができ、消費者は自分の趣味嗜好にマッチしたブランドへの信頼や愛着が湧くことで、継続購入いただけるチャンスが生まれるでしょう。
デメリット1:自社マーケットラインの構築にコストがかかる
D2Cのメリットで、コスト削減が実現できると解説しました。
しかし、それに伴い自社ECサイトの構築や、生産・流通の仕組みを整える時間的および金銭的なコストが発生します。
コストに加えて、環境を自社で内製する場合や外注する場合であっても、人的リソースの確保が必要となります。
懸念する場合は、ECモールの活用をオススメします。
(記事後半でD2CブランドによるAmazon出品のメリットについて触れていますのでご参考ください!)
デメリット2:ブランド認知の獲得が必要
D2Cによる販売モデルは露出や認知度は低いところからスタートします。
そのため、ブランドを広めていくためには効果的なブランディングやマーケティング活動が必須となります。
自社ECサイトの構築や生産・流通の整備といったD2C環境が整備できたとしても、初期費用を回収できないと結局損失になりますので、そのような意味合いでも、D2Cにおけるブランディングやマーケティングはかなり重要なファクターでしょう。
デメリット3:商品をリアルな場所で手に取ることが難しい
D2C は、実店舗での販売は行わず、オンライン販売をメインとする場合が多いため、消費者が直接商品を手に取って確認できる機会がなかなかありません。
最近では、ブランド認知が高まってきたタイミングで期間限定のポップアップストアを開催する事例もありますが、スタートしたばかりのブランドや資金力がない場合は、実際に手に取らなくても伝わる方法を工夫していかなければなりません。
InstagramやYoutubeなどの動画では、実際に使用したり着用したりすることで、リアルな商品を伝えやすい効果があるでしょう。(テレビショッピングはまさにこの効果ですよね)
アパレル商品であればカラーやサイズ感の相違、美容関連商品であればテクスチャーや使用感などを伝えられますので、返品・交換・クレームなどを減少させる防波堤の役割も担います。
動画以外にも、商品レビューの活用やインフルエンサー起用、返品無料など手に取らなくても購入してもらえる施策は様々です。
D2CブランドがAmazonに興味を持ち始めた理由
ここまではD2Cの概要からメリット・デメリットを解説してきましたが、ここからはD2CブランドのAmazon出品について解説していきます。
なぜD2CブランドがAmazonに興味を持ち始めているのか3つの理由を上げておきます。
理由1:ブランドアピールがしやすくなったから
1番の理由は商品ページ内でのブランドアピールが可能になったからでしょう。
商品ページの中の商品紹介コンテンツ(A+)という機能を活用することで、画像とテキストを使用して商品やブランドアピールがしやすくなりました。
数年前までは4種類しか型がありませんでしたが、現在は10種類以上のモジュール(部分的テンプレートのようなもの)を使用しての編集が可能となり、自社製品のアピールはもちろんですが、ブランドアピールがより容易になったことで、D2CブランドのAmazon進出が選択肢に含まれてきました。
理由2:ストアページでブランドの宣伝ができるから
前述の商品紹介コンテンツ(A+)以外に、Amazonではブランドアピールができるストアページという機能が数年前にリリースされました。
ストアページはAmazonブランド登録をしている大口出品者が利用できる限定機能となり(D2Cブランドであれば商標をご準備の上、Amazonブランド登録いただくことをおすすめします)商品の訴求だけでなくブランド訴求にも適したページになりますので大いに有効活用できます。
ストアページのフォーマットは多種多様なフォーマットがあり、部分的に組み合わせながら構築できるため、類似したストアページになる事はほとんどありません。
また、サイト構築の専門的な知識も必要ありませんので、どなたでも簡単に作成できることもポイントです。
理由3:国内のECシェア率が高いから
日本国内のEC市場は「Amazon」、「楽天市場」、「Yahoo!ショッピング」の3大モールが約6~7割を占めています。
その中でも、「Amazon」が最も大きいシェアを持っています。
その為、ブランド認知やサイト集客に苦戦しているD2Cブランド、既にブランド認知が確立しているD2Cブランドが、多くの人が流入する(=人が集まるサイト)Amazonに進出することで、更なる認知・売上向上を図る狙いがあるのではないかと考えられます。
D2CブランドがAmazonに出品するメリット・デメリット
メリット1:簡単に出品ができる
Amazonは他のECモールとは異なり出品型のECモールですので、楽天のように店舗ページ構築が不要であり、1商品から出品することが可能です。
また、初期費用もかからないため、手始めにどこかのECモールを活用してみる場合にはAmazonがスタートしやすいでしょう。
商品数が少ない場合やブランディングや宣伝活動・サイト構築にリソースをかけられないD2Cブランドも簡単に出品できます。
「Amazon」、「楽天市場」、「Yahoo!ショッピング」を比較していますのでご参考ください⬇︎
メリット2:広告で競合対策ができる
Amazon広告のスポンサープロダクト広告の中に「商品ターゲティング」という機能があります。
「商品ターゲティング」は、「キーワード」に対して広告を設定するのではなく、「商品ページ」に対して設定することが可能になるため、競合商品に「商品ターゲティング」の広告設定を行うことで、競合商品ページ内に自社商品の広告を露出し認知拡大を狙うことが可能です。
実際の「商品ターゲティング」の表示は下記画像の赤枠部分⬇︎
そのほかにも、ブランド登録をしている出品者であればスポンサーブランド広告をはじめ、利用できる広告の種類が増えますので、有効活用することも可能になります。
メリット3:レビューの信頼性が高い
Amazonでは、出品者から購入者に対して高いレビューを促すことを禁止している事やサクラレビューに対して厳しく監視しています。
仮にサクラレビューをAmazonが確認できた場合、Amazonから出品者に対してペナルティを与えますので、他のECサイトと比較してもAmazonのレビューは信頼性が高いです。
Amazonレビュー対策についてはこちらの記事をご参考ください⬇︎
デメリット1:手数料が発生する
先ほどAmazonでの出品には初期費用は発生しないとお伝えしましたが、手数料は発生します。
大口出品の場合、月額費用4,900円と各商品カテゴリ毎の販売手数料が発生します。
これら以外にもFBA手数料や、クーポン発行手数料、タイムセール参加費用など利用することで発生する各種手数料があります。
Amazonは他ECモールと比較しても出品がしやすく、特に楽天市場と比較すると固定費は抑えられますので、そこまで大きなデメリットではありません。
デメリット2:競合商品との価格競争が発生する
Amazonで出品する際の最大のデメリットは競合商品との価格競争が発生する事です。
競合商品の値下げの影響を受けることがあります。
D2Cブランドはブランドイメージを守るために販売価格を下げない戦略で進行している場合があります。こういった場合には値下げ以外の他手段を駆使した販促施策を活用してAmazon内の売上を上げていく必要があります。
補足となりますが、弊社のコンサルティングは価格競争で売上を上げていく手法ではなく、長期的な売上拡大を目指した基盤づくりを重要と位置付け、価格競争に勝てる施策実行を進めています。
デメリット3:自社ECのような商品イメージを育てにくい
自社ECサイトとは違い、Amazonで出品する場合はAmazonのルールに従う必要があります。
特にSEO部分は自社ECで対策したSEOとは仕様が異なりますので、商品の露出を安定化させることやブランドアピールが難しいことがデメリットに含まれます。
販売チャネルとしてAmazonを持つべき
Amazonで出品するD2Cブランドはここ数年で飛躍的に増えました。
特にAnkerやバルクオムは代表ブランド例と言えるのではないでしょうか。
D2CはAmazonといったECモールの活用を含まないことが定義かもしれませんが、Amazonに出品をして認知を拡大しているD2Cブランドは実際に多数あります。
Amazonに出品することで、自社ECサイト以外の視点から商品が見えることや、Amazonユーザー層へアプローチができることなどプラスに働く面があると考えています。
自社ECサイトに加えて、出品スタートがしやすいAmazonを販売チャネルとして確保しておくこともブランド成功への後押しとなるかもしれません。
ぜひ、Amazon出品の活用も視野に入れながら素敵な商品を世の中に広めていってください!
アグザルファブログが皆様の参考になれば幸いです。
今後もAmazon出品者の皆さまをはじめ、有益な情報を発信して参ります!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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